オープニング 年の初めのためしとて
CiRCLEステージ 新年会
お馴染みのCiRCLEでは、5グループのメンバー全員が集合して、新年会が開催され、今まさに、司会担当の香澄と彩による乾杯の挨拶が始まろうとしていた。CiRCLEオーナー公認で、みんながこうして集まり、新年会ができるというのも、日頃からの香澄たちの熱意が通じたからなのだろう。
こうして、ガルパのみんなが集合したのは、合同ライブ以来のことだ。集まったメンバーたちも、さぞかし楽しみにしていることだろう。新年会と言えば、かくし芸大会…どんな演技が飛び出すか、本当に楽しみである。
会場後方では、自分たち手作りの料理が所狭しと並び、瞬く間に一流のホテルのビュッフェみたいな感じになっていた。もちろん、こころの所の黒服の人たちからの料理、料理好きなリサの本格手料理、それから、有咲のばあちゃん手作りの重箱詰め正月料理が、みんなの目を引いていた。
新たな年の始まりにふさわしい、華やかな雰囲気の中で、それぞれの想いを胸に新鮮な気持ちであいさつを交わしていた。
今回の新年会の司会である香澄と彩が、ステージに立ち、いよいよお正月かくし芸大会の始まりを宣言する。
第1話 かくし芸大会、スタート!
CiRCLEステージ 新年会
香澄と彩、この二人の組み合わせで司会進行がうまくできるのか、そばで心配して見ているメンバーたちの姿があった。当の二人はそんなことちっとも気にもせず、言葉をかけ合いながら進行はしているのだが…。
気になる…。さっきから「始まった」ことばかりしきりに繰り返しているだけで、聞いている有咲には、テレビでやっている上手い司会者っぽくやろうとして、全然上手いことが言えないパターンに陥っているように思われた。そして、しびれを切らし、オープントークはいいから、早く先に進めるように香澄に促した。
そして、かくし芸大会のトップバッターは、巴とあこ、それにはぐみとリサの各学校のダンス部が集結したグループ。そして出し物は、ヒップホップダンス。
このかくし芸大会の参加者募集に、真っ先に応募してきたのは、あこだった。あこは心から姉の巴に憧れていて、ものすごくカッコいい巴のダンスをみんなにも見てほしいと思ったのだった。これから披露するという時に、人前でこんなこと言われて、さすがの巴もハードルが上がってきた。というのも、ダンスの中ほどで、巴のソロダンスがあるからだ。
そして、ダンスは始まった。友希那と燐子は、この複雑なステップを踏む本格的なダンスを見終わって、一緒にやらないかと誘われたけど、やっぱりやらなくて本当によかったと感じた。ちょっと前向きじゃないように思われるけど、到底こんなに見事に踊れると思えなかったのだ。そのくらいプロ級の完璧な仕上がりに驚いたのだった。
妹のあこが勧めるから、仕方なしに踊ることにしたという割には、ソロの場面でも爽やかな笑顔を振りまき、あんなに楽しそうに踊っていた巴のやり切った感の溢れる表情に、いつもとまた違った巴が見られた。
第2話 武士道とは
かくし芸大会の2番目は、イヴの「手裏剣風船割」だった。イヴはこの日のために、鍛錬を続けてきたと言う。準備された風船を前に、精神集中をし、気持ちを整える。風船まではおよそ5mはある。当てるのは難しい距離である。しかも、風船は3つ。全部割ろうというのだから、相当集中しないと、割ることはできないかもしれない。
そして…。「武士道~~」という掛け声と共に、手裏剣は見事に3つの風船を割った。この手裏剣って、本物の?いえいえ、この手裏剣はイヴが自ら木材を買ってきて削り出して作った手作りの手裏剣である。
よく飛ぶように試行錯誤を重ね、納得がいくまで調整して作り上げた手裏剣である。風船を割ることより、よく飛ぶ手裏剣を作ることの方が、むしろかくし芸ではないかと思ってしまう。イヴは、本当に見事な技を見せてくれた。
続いては、たえのかくし芸だが、うさぎの好きなたえのことだから、ひょっとして…?そう、その通りです。「うさぎのモノマネ」ですよ~!
たえは、うさぎが前歯を出してカリカリとニンジンを食べている様子を、永遠と長い時間マネし続けている…。もうぼちぼち、止めた方がいいのでは…。有咲はもうそれが気になってしまう。当のたえは、まだ続きをやろうとしているが、一体どうなることやら…。
第3話 違いのわかるモカさん
CiRCLEステージ 新年会
次々に繰り出されるかくし芸を見ていて、蘭は、みんなホントよくやるよな~と感じてしまった。自分なら絶対にできないなと…。
続いて4番目は、モカの「目隠し利きパン」である。目隠しをしてパンを食べ、それがどのパン屋さんのパンかということを当てるかくし芸である。近所のパン屋さんからそれぞれ特徴のあるパンが、モカの目の前に並べてある。
モカはおもむろに1番のパンから食べ始める。2番のパンを食べ、次に3番のパンを食べる。ひたすら美味しそうにパンを食べているだけのように見えるのだが…。そして、9番のパンを食べ、全問正解する。最後の10番目のパンは、みんな大好き「やまぶきベーカリーのクリームパン」と見事に当ててしまう。
モカは余裕で、この利きパンを目隠しでやったわけだが、蘭のコメントに期待してたが、ホント褒められずに期待外れ。だけど、他のメンバーたちから称賛され、やれやれって感じになった。
そして次に登場するのは、日菜と紗夜。二人でエントリーすることは、この瞬間まで紗夜には話していなかった。何をするかも知らされていない紗夜は困ったが、キャンセルすればまわりに迷惑がかかるからと、あっさりと引き受ける。かくし芸というのは、昔二人でよくやっていた「テーブルクロス引き」である。
前に置かれたテーブルは1つしかないが、クロスは2枚かかっている。二人で同時に2枚のクロスを引くというものである。いくらやったことがあるとは言え、子どもの頃の遊び。それを今でもできるだろうか?きっと、身体が覚えているだろうから、できるだろうと言う紗夜。
リサはこれまでの二人を見てきて、この二人が一緒にかくし芸をすること自体、それだけで泣けてくるようだった。同じステージに立っていることそのものに感慨深いものがある。
紗夜は、やるからには絶対に成功させたいという強い思いを日菜に伝えた。そして、二人は気持ちを集中させ、掛け声の元、テーブルクロスを同時に引く…。
第4話 3人のプロ
CiRCLEステージ 新年会
二人の息のピッタリと合った演技に、会場は湧いた。拍手の鳴り止まない中で、つぎのかくし芸は、こころと美咲による「ジャグリング」だ。練習したのは主に美咲の方だったが、とにかくこの演技を早く終わらせたい、終わらせて早く楽になりたいというのが、今の美咲の心境。
さて、こころと美咲の間をボールが行ったり来たり。そして、ジャグリングは続いている。まるでプロのかくし芸を見ているような、そんなレベルの高さだ。美咲は、相当練習してきたのだろう。あんなレベルのジャグリングなんてちょっと練習したぐらいじゃできないはず。
会場の誰もが凄すぎる演技だと感じた。ここまで本格的に練習する必要もなかったのに…と、美咲。
準備運動はこれくらいにして、そろそろ本番に行こうと、こころが誘う。えっ?これ、本番じゃなかったの?二人はおもむろに一輪車に乗り、ジャグリングを行う。凄すぎる~~。
そして、かくし芸も残り2つばかりになった。次は、何のかくし芸だろう。こころと美咲のジャグリングの演技が凄すぎたから、きっと次の演技者にとってはプレッシャーだろうな…。
でも、誰のかくし芸だと思う?そう、CiRCLEのまりなさん!まりなさんは、みんなに「ギター演奏」を見せてくれた。まりなさんも昔、5人編成のガールズバンドを組んでいたことがあるのだ。きっと、凄腕のギター奏者だったんだろうな。
第5話 最後のかくし芸
CiRCLEステージ 新年会
ギターを練習している者にとっては、憧れのテクニックを持つまりなさんの演奏に、会場のみんなが感嘆の声をもらした。凄く上手い。私もあんなふうに弾くことができたなら…。
そして、いよいよお待たせしました!かくし芸の最後を締めくくるのは、香澄と彩の「手品」だ。二人は、この日のために一生けん命に練習してきたのだった。しかし、会場には不穏な空気が…。二人が上手くできるのか心配になっているのである。
二人は、自分たちの手品を披露して、会場を盛り上げようとしているけれど、見ている側としては、放っておけない二人という感じがどうしてもしてしまうのだ。
手品は定番の技から始まり、次々と成功させていく。ハラハラドキドキではあるが、その見事な技に、会場のみんなが驚く。そして、手品の大詰めに近づいていく。思わず、会場から「がんばって~~」の声援が起きる。
香澄と彩はの二人は、気持ちを合わせて、最後の呪文を唱える。ところが、最後の最後という場面で、二人の手にしたハンカチの文字が…。
エンディング 今年もよろしくお願いします
CiRCLEステージ 新年会
やっぱり、最後で~。という結果に終わったけれど、香澄と彩のおかげで、みんなで盛大な新年会を楽しむことができた。忙しいのにこの企画運営をやってくれて、二人ともどうもありがとう。
最後の最後で、うまくいかなかったから、と凹んでいる二人だったけど、「あれは、失敗という失敗ではない」と傍から有咲が声をかけた。本人たちより、傍で見ている者の方が余計に緊張したり、心配になったりすることはあるものだ。
香澄にとっては有咲が、そして彩にとっては千聖がまさにそうだ。二人のかくし芸が終わった時に、なぜか自分のことのようにホッとする。がんばる二人を見ていると、ついつい応援したくなってしまう。そんな思いを抱かせる香澄と彩だ。
だけど、有咲や千聖のような友達が自分の傍にいてくれたなら、どんなに幸せだろうとも思ってしまうのだ。自分を支えてくれて、応援してくれる者がいるということがどんなにありがたいことか。そんなことを考えながら明日を見つめる香澄と彩。
それぞれのかくし芸に感動し、みんなで楽しいひと時を共有することができた。「私たちは、まだまだ止まらないよ~。これからももっと盛り上げていくよ~」という香澄の力強い言葉に、今年も何か凄いことをやってくれるんじゃないかと期待も大きく膨らんでくる。
皆さんにとっても、今年が素晴らしい年になるといいですね。皆さんの活躍を心から応援していきたいと思います。