オープニング 七夕祭りを一緒に
羽丘女子学園 廊下
廊下で日菜が何か考え事をしている様子を見かけたリサが、声をかけてみる。日菜が今週末にある商店街の七夕祭りのことについて話し始める。どうやら日菜は、その七夕祭りに、姉の紗夜と一緒に行きたいらしいのだが、誘っても断られそうなので悩んでいたのである。
日菜は、紗夜と一緒に行きたいのだけれど、いつもバンドやらギターやらで忙しくしている姉の様子を見て、そんなことで姉を困らせたくないと思っていた。その話を聞いて、リサは、今日のRoseliaの練習の時に紗夜にそれとなく話してみると言ってくれた。
CiRCLE スタジオ
練習が終わり、あこと燐子は例のごとくゲームの話で盛り上がっている。その様子を見ていた紗夜に、リサは話しかけてみる。紗夜は、家ではどうしているのだろう?家に帰ったらすぐ自分の部屋でギターの練習か勉強をしている…紗夜らしい回答だ。今度は、日菜はどんなふうに過ごしているのか尋ねてみた。紗夜は日菜のことはよく分からないと回答。
リサの歯切れの悪い立て続けの質問に、紗夜は少し苛立ちを見せる。それで、リサは日菜が学校で話していたことを伝えた。日菜と出かけてみるのもいいのかなと、それとなく誘いをかけてみる。しかし、紗夜は、七夕祭りのような催しには興味がなく、それよりもギターの腕を磨くことの方が大事だと考えているようだった。
リサは、おせっかいを焼き過ぎたようで、きまり悪そうにしている。紗夜は、これまで日菜と一緒に過ごすなんてこと、考えたこともなかったなあと、1つ大きなため息をついた。
第1話 日菜の願い
氷川家 リビング
家に帰り、これからすることを考えていると、日菜が話しかけてきた。日菜は紗夜に話したいことがあって待っていたと言う。日菜は思い切って、商店街の七夕祭りに一緒に行かないかと紗夜を誘ってみた。何とか一緒に行ってくれないかと、日菜は一生けん命に商店街の七夕祭りのことを説明した。だけど、紗夜は、人混みが苦手なことを理由に、やはり思った通り、断ってきた。
紗夜は、自分とよりもリサや同じバンドの友達と行った方がきっと楽しいだろうと言う。やっぱり無理なようだ。日菜はがっかりしたけど、姉の気持ちを考えると、あきらめざるを得なかった。
紗夜の部屋
日菜の残念そうな顔を思い出し、自分が断ってしまったことで妹に少し悪いことをしたかなと、紗夜は思った。
週末・リビング
結局、紗夜はOKしてくれなかった。だから、日菜は最後にもう一回だけ声をかけてみようと考えた。
紗夜の部屋
日菜が紗夜の部屋の前に行ってみると、部屋からギターの練習音が響いてきた。日菜は、声をかけるのを止め、誘うのは諦めた。一緒に行きたかった七夕祭り…一人で行くしかないか…。
第2話 すれ違う二人
商店街
結局一人で行くことになった日菜。商店街のあちこちに七夕飾りがしてあって、とってもきれい。きっとルン♪とくる場所がいっぱいあるんだろうな。
すると、突然の雨が降って来る。仕方なく、雨宿りできそうな場所に急いで移動した。
ファーストフード店
お急ぎで駆け込んだ場所というのは、彩がバイトしているファーストフード店だった。せっかくの七夕祭りの日だというのに、雨が降って残念。雨が止むまで、ここで時間を潰すことになった。そして、やっと雨が上がったのはよかったが、日菜は七夕祭りの気持ちになれなかった。紗夜とここに来れることを夢見ていたのに、ひとりで来ることになってしまったから気分も乗らないのだ。
商店街
同じ頃、姉の紗夜は母親からお使いを頼まれて、この商店街に来ていたのだった。日菜を一人で行かせてしまったことを、紗夜は気にしていた。買い物の帰り道、ふと目をやると、そこに日菜の姿があった。人混みの中で日菜の姿を捜す。紗夜は、ちょうどお祭りに来ていた彩と花音に出会う。そして、雨宿りをしている時の日菜の様子が寂しそうだったと話す。
第3話 短冊の行方
商店街
彩たちに礼を言い、急ぎ足で去って行く紗夜。日菜も帰ろうとしている矢先、ちょっとだけ面白そうなものを見つける。せっかくなので、短冊に願い事を書いていくことにした。そして、短冊を笹の葉に結び付けようとした時、後ろから聞き慣れた姉の声がした。どうして紗夜がこの七夕祭りにいるのか日菜は不思議だった。頼まれた買い物ついでだということが分かったけれど、こうして姉がそばにいるだけで日菜は嬉しい気持ちで満たされていった。
ふと日菜が手にしているものに目が行く。日菜は短冊に願い事を書いていたところだったのだ。日菜が紗夜に何か言おうとしたその時、鳥が日菜の短冊をくわえてどこか飛んで行ってしまった。あの短冊は日菜にとっては、とても大切なもの。だって大事な願い事を書いた短冊だから!そして、取り返すつもりで、日菜は鳥を追いかけて走って行った。
書き直せばすむものを!本当に困った日菜…。そんなことを思いながらも、後を追う紗夜だった。
第4話 懐かしい場所
公園
日菜は鳥を追いかけて、そして紗夜は妹の日菜を追いかけて、近くの公園まで来た。せっかく追ってきたのに残念なことに鳥を見失ってしまった。しかし、草陰のところに短冊らしきものが落ちているのを見つけた。日菜は、自分の願いが届いて鳥が落として行ってくれたのだと思った。
走り疲れてしまった2人はベンチに座り、少しだけ休むことにした。2人は何と切り出したらいいのかきっかけがつかめず、黙っている。そして、同じタイミングで話し始める。姉と話すのは久しぶりだから日菜は緊張してしまった。小さい頃から緊張などしない日菜が、今日に限って姉の前でこうして緊張している…。小さい頃からずっと自分の後を追いかけて、追い越して…今も尚それは続き…。紗夜がそんなことを考えていると、妹の日菜が、自分の名を呼び、ふと我に返った。
今いるこの公園は、小さい頃に2人で一緒によく遊んだ公園だ。どっちが高くこげるか競争して乗ったブランコがある。そしていつも日菜の方が高くこいで、周りを心配させた。いつも自分より高くこげる日菜が羨ましかった…。日菜は覚えていないだろうけど、紗夜はよく覚えていた…。
日菜が何か言いたそうにしていたが、結局言葉にするのは止めた。言葉にしたら願い事は叶わなくなるから言わないことにしたのだ。
第5話 二人を結ぶカササギ
公園
最後になって、今日がすごくいい日になったので、日菜は本当に嬉しかった。雨に降られ、鳥に短冊を持っていかれ、散々な目には合ったが、だけど、日菜の本当の願いは叶ったわけだから。
七夕の日に雨が降った時は、カササギという鳥が橋を作って、織姫と彦星が会えるようにするという話。さっきの鳥は、日菜と紗夜を会せてくれたカササギかもしれないと日菜は嬉しそうに話す。そして、カササギのことも隣の高校の天文部のこころから教えてもらったのだと話す。妹の話を聞きながら、実の妹のことを何も知らないことに気付く紗夜。嬉しそうに話す日菜に冗談を1つ言って、ふと笑みがこぼれた。
久しぶりに姉妹2人で話せて、日菜は大喜びしている。うまく話せないのはきっと日菜のせいではなく、自分自身の問題だと、紗夜は冷静に受け止めることができた。
商店街
帰り道、商店街はライトアップされ、七夕飾りがとてもきれいだった。見慣れた商店街なのに、こんなに変わって見えるとは…。日菜はまだやっている屋台を見つけ、何か食べていこうと紗夜を誘う。そして、屋台の食べ物は苦手だと言ったのも聞かず、日菜は、たこ焼きを買いに走って行ってしまった。
エンディング 紗夜の願い
商店街
日菜は買ってきたたこ焼きを美味しそうにほおばる。紗夜は、日菜が短冊をまだ飾っていないことに気付き、声をかける。すると日菜は、紗夜も短冊を書くことを熱心に勧め、自分はさっさと短冊を飾りに行ってしまった。
紗夜は、自分の願い事について考えてみた。だけど、自分の気持ちにしっくり来る願いがなかなか思いつかなかった。だけど、自分の本当の意味での願いというのは…。
日菜が戻ってきた。短冊は飾らなかったと言う。なぜなら、日菜の願い事はもうすでに叶ったから!日菜は、短冊に「おねーちゃんと仲良く過ごせますように」と書いていたのだった。日菜は、今日はとってもいい日だったから、紗夜の願いもきっと叶うはずと言ってくれた。紗夜の短冊には、「日菜とまっすぐ話せますように」と書かれていた。きっといつか紗夜の願いもかなうはずだ。
翌日・羽丘女子学園2-A
教室では、いつもに増して楽しそうにしている日菜の姿があった。紗夜は最初はいつものように難しい顔をしていたけれど、いろいろあったけど、最後には笑ってくれたので、それが最高に嬉しかったとリサに話す。来年もまた姉妹2人で仲良く七夕祭りに参加できるといいんだけどね。
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