オープニング ちょ~ナイスなアイディア
コンビニ
リサは、バイト先のコンビニで発注の作業に取りかかっていた。そしてバイト仲間のモカはというと…。売れ筋の商品が変わっていき、冬休みが終わったということに何だか不満そうに見える。ため息をついては、何か考え事をしている様子だ。リサもそれには気付いていて、声をかけてみると…。
どうやらモカは、冬休みに心残りがあるようなのだ。モカの話によると、家族で入念に計画していた楽しみのひとつである「家族で中華街に遊びに行く」というプランがあったのだが、実際に行ってみると、人が多すぎてプランどおりにお店を回ることができなかったのだと嘆くのだった。
食べ歩きするはずだったお店も半分くらいしか回れなかったので、不完全燃焼ということなのらしい。がっかりしているモカの様子を見て、リサは少し驚いた。
というのも、リサはまだ中華街へ行ったこともないし、お店がそんなに混んでいて回れないということもまるで想像がつかなかったからだ。前から行ってみたい候補の1つではあったが、タイミングが合わなくて、行くことが叶わなかったのだ。
中華街に行ったことのないリサ。そして食べ歩きリベンジがしたいモカ。来週のシフトを確認すると…。運よくリサとモカのお休みがかぶっている。こうなると、もう決まり!来週は二人で中華街に出かけよう!!バイトが終わって二人はさっそく一緒に計画を立てることにした。
バイト終了後の帰り道
モカは食べ歩きができるお店のリストをリサに送ることにした。二人で話しながら歩いているところにこころがやって来る!
こころの後ろから、スタジオ帰りの美咲も追い付いて、話の仲間入りをした。こころは二人が何の話をしていたのか気になり、尋ねてみた。二人が中華街に出かけることを知り、『中華街は賑やかで笑顔になれるとっても素敵な場所だ』という話で日菜と盛り上がったという話を続けた。
リサは、以前日菜から何度かお土産をもらったことを思い出した。それで、来週末の計画に二人を誘った。こころの提案で、日菜も誘って、みんなで中華街で楽しむことになった。
こころがいると、いつもハラハラドキドキの展開になる…。何が起こるか分らないし、ヤキモキもする。だけど、それが楽しいのだ!
さっそくリサが寄りたいお店などネットでいろいろ調べて準備しておくから!とみんなに提案したが、今回はモカがストップをかけた。
モカは閃いてしまったのだ。リサが喜んでくれるアイディアを!
題して、『リサさん、大満足!パーフェクト食べ歩きツアー』
準備はモカたちに全てお任せ。初めての中華街を最大限楽しめるツアーをモカたちが企画してくれるというのだった。リサはちょっと申し訳ない気持ちがしたが、みんなに任せることにした。きっとサプライズがあるんだろうな…。とびっきりの楽しい一日になることを期待しておこう。
第1話 いつでもがんばる人のため
CiRCLEカフェテリア
CiRCLEのカフェテリアでは、こころたちが集まって、会議を始めようとしていた。予定が詰まって忙しいだろうはずの日菜が参加してくれたことで、美咲はまさか、サボった?という疑念を一瞬抱いた。でも、実際は予定を前倒しして、参加してくれたことが分かり、美咲はほっと一安心した。
まずは、回りたいお店から決めることに。それぞれのオススメのお店を出し合ってみることにした。
1時間後
それぞれのおススメのお店を紹介し合ってみると、みんなが知っている定評のあるお店や日菜だけが知っているお店、スイーツの美味しいお店など、いろいろな情報が飛び交った。回る順番も決まって、みんなで完成を喜び合った。
今回の計画の主はモカなのだが、なぜ『リサちー大満足ツアー』をやろうと思い立ったのか、日菜はまだ知らなかった。リサはこのような準備はお得意中のお得意だし、いつものように任せてもいいはずなのに、モカがストップをかけたわけは?
モカはそのわけをみんなに話す。最近バイト先のコンビニに新人が入ってきて、リサがいつも以上に気遣ったり手助けしたりするのを見ていて、モカが新人で入った時も同じように接してもらったことを思い出したのだと続ける。
たまには他人に任せっきりにする機会があってもいいのではないか?という気持ちが自分の中に湧いて来たということらしい。
人のことをまず先に考えて行動するリサも優しいが、こんな先輩リサのことを思うモカも優しい子なんだな。
当日の予定も決まり、あとは週末を待つのみ。とても待ち遠しい。この計画が上手くいくようにみんなでがんばろう!
第2話 こころの思う大満足
中華街
待ち合わせ場所にやって来たリサは、何の準備もしていないので、だいじょうぶなのか少しだけ不安になっていた。でも、日菜たちの安心できる言葉かけに、ここは任せるしかないかなと思った。
こうして『リサさん大満足!パーフェクト食べ歩きツアー』が始まった。
1時間後
まず初めに行ったお店では、焼き小籠包がとても美味しかった。リサはもちもちしているのが気に入ったようだ。そして、次のお店を期待しているようだった。
次は、こころオススメのお店にレッツゴー!リサがすごく楽しんでいる様子を見て、日菜も美咲もモカもほっとしていた。
ふと前を見ると、ある看板が…。『中国の伝統衣装で記念撮影、獅子舞・ミニ龍舞体験』とある。期間限定開催となると、気持ちが揺らぐ。
でも今回は、みんなで立てた計画が優先だ!この看板に、こころが興味を持ちそうだと思うが、人混みの中急いで通り過ぎれば何とか問題なく先に行けるかな…。
と思った矢先、目敏いこころは、特別なイベントのお知らせにしっかりと気付いていた。リサも龍舞はまだ見たことがなく興味津々。日菜も大賛成で、この流れだと、こっちに行っちゃうかも!ピンチだあ~。
どちらがいいのか迷ったモカだったが、イベントに参加することに決定。なんとなく上手くいく気がするのだ。
リサが楽しんでくれるのならいいのではないのか?そもそもこの計画の趣旨は…。
さっそく限定開催の内容を再度確認し、どこから始めるか話し合った。記念撮影、龍舞の順かな?龍舞が始まるまで、先に記念撮影を!みんな一緒にチャイナドレスを見に行こうよ!
第3話 気がつけば頼もしさ
写真館
写真館では、いろいろな衣装を借りて撮影ができる。写真館での記念撮影コース、外に出てのロケ撮コース、他にも食べ歩きコースなどもあった。どれも魅力的だったが、今回は人混みの多さも考えて、記念撮影コースに決定した。
まずは借りるトレス選びから、ワクワクのスタート。映画で見るような衣装がたくさんあって、小物選びまで含めると、どれにするか迷ってしまいそう。
15分後
美咲は悩みに悩んでいた。どれが自分にピッタリくるかよく分からないのだ。すると、リサは美咲によく似会う色合いとデザインを選んでくれた。
グレーや紺色系の美咲には、オレンジとか華やかな色も似合いそう。ワンポイントがあるドレスなら適度に落ち着いていて、似合いそうなんだけど、とリサが勧めてくれた。
さらにモカにも。モカなら何でも似会うはずだが、今回は大人っぽく少し暗めのグリーンのドレスをチョイスしてくれた。
せっかくのイベントなのだから、いつもとは違う雰囲気にしてみるのも絶好のチャンスかもしれないね。
美咲とモカはリサの衣装選びのセンスの良さに感動。即決だった。それにしても、リサはすごいよね。あっという間にお似合いのドレスを見定めて、ついでに小物も添えてほぼ完璧な組み合わせを短時間でコーディネイトしてしまうのだから。
おっと、今日はリサに頼らないで、イベントをこなすんじゃなかったっけ?ふと、美咲はそれに気づいて苦笑い。
リサは、せっかくみんなが自分のために準備してくれたのだから、イベントを心の底から思いっきり楽しもうと思った。
第4話 ドキドキ獅子舞チャレンジ
中華街
衣装選びは楽しかったし、記念撮影も最高で、思い出に残る写真が撮れた。みんなで見比べをして日菜のポーズが面白いと、話が盛り上がった。リサは記念の1枚をフレームで飾ろうと思った。
まもなく、通りに獅子舞の姿が見えた。美咲は近くで見たことがなかったので、迫力のある獅子の顔立ちや動きにビックリしていた。
獅子舞に頭を噛んでもらっている人がいた。お正月にもよくあるけど、頭を噛んでもらうと縁起がいいという言い伝えがある。自分の悪いところを食べてもらうってこと?
すると、日菜がちょっと怖い話をしたのだが、信じ込みそうになった美咲をなぐさめるように、リサが気を遣う。結局、日菜の話は咄嗟の作り話だったわけで、まんまとからかわれてしまったのだ。
それを諫めてくれたリサに感謝しつつも、またもやこれもリサを頼ってしまったことになるのかな…美咲は、しっかりしなくっちゃ!と思った。
そろそろ次のイベントに移動しようかという最中に、こころの姿が見えなくなっていた。いつものことだから、近くにいるだろうと美咲。このままでも困るので、みんなで近くを捜すことになった。一体どこに行ってしまったんだようー、こころ~!
第5話 こころ式、冒険の手引き
中華街
こころは、獅子舞の踊りに興味を持ち、夢中になった。中華街のあれこれに目を奪われて、いつの間にかみんながいなくなっている!みんなを早く見つけてあげないと!こころはそう考えて、みんなの行きそうなところを捜し始めた。
一方その頃
リサたちは、本気でこころの行方を捜していた。いったいどこに消えてしまったんだろう。いつもならすぐに見つかるのだけど。こんなに捜しても見つからないってことは、こころが迷子になってしまったんだ…。もっとも、こころ本人は自分が迷子になっているなんて思ってもいないと思うけど。
向こうから何やら賑やかな御囃子が聞こえてくる。そういえば、龍舞が始まる時間だ!もしかしたら、こころが龍舞体験に行っているかもしれない。
一見、聞いてないふうで、しっかりと細かいところまで聞き覚えているこころのことだから、もしかしたら、可能性は大!『リサが龍舞に興味がある』ことを思い出して、そこにいるかもしれない!
龍舞体験スペース
やっぱり思ったとおりだ!こころがいた!
リサが龍舞に興味があることをしっかりと覚えていて、すでに龍舞体験に参加申し込みを済ませていた。順番待ちしているとまもなく、こころの名前が呼ばれ、みんなで参加することになった。
龍舞体験 終了後
初めて龍舞を体験してみて思うことは、見るとやるとでは大違いってことかな。でもいい体験にはなったと誰もが感じた。
リサがこころに思いっきり振り回されているのを見て、美咲は申し訳なく思った。一方でリサはいつもと違う感覚。ちょっとした冒険に連れ出してもらったような、それはそれで楽しい体験だと感じていた。
そしてリサは、こんなこころと一緒にいられるハロハピの気持ちが少し理解できた。このやり方こそ、こころ式。ヤキモキさせられて、何が起こるか分らない、予測不能であっても、立ち止まらずに進めば、結果的に楽しい気分に浸れるという確かな着地点がある。
こんな友人がクラスにいたら、きっと楽しいこと間違いなし!ハロハピが目指すキャッチコピーどおり、こころと接するみんながハッピーな気持ちになれたら、それはそれで素晴らしいことなんだと思う。
エンディング 想い満ちる橙の空
公園
人混みの中で、一通りのイベントをこなして、みんな疲れていた。でも、こころはまだまだ元気。向こうに見えるキラキラの灯りに気付き、行ってみようとみんなを誘う。ランタン飛ばしの会場だった。
願い事を書いた紙をランタンに着けて、空に向かって飛ばすイベントである。リサが体験してみたいと言うので、さっそく日菜が参加の申し込みをしに走った。
紙に自分の願い事を書くのだが、美咲は、何を書こうかと考えたが、なかなか思い付かない。隣で書いているモカも手が止まっている。同じように考えあぐねているように見えた。
モカは心の中で考え事をしていた。今日は一日頑張ってリサを楽しませてあげよう、そして、リサには頼らないように頑張ろうと思っていたのに、結局はいつも通りの一日になってしまった。
結果的に『リサさん大満足』からは程遠い。今回の計画は失敗だったのかな~。だとしたら、リサには申し訳ないな…と情ない気持ちになっていた。
モカの思いを聞いてしまったリサは、二人に話しかけようとした。
今日のことは、失敗なわけがない。確かに予定通りではなかったけれど、リサはそれぞれのイベントを目いっぱい楽しんでくれた。だから、全部大成功なのだ!
ハプニングがあったにせよ、それも含めてリサにとっては、今日一日が大切な思い出となった。モカたちと一緒に思い出を作れたことが何よりも嬉しかった。共有した時間そのものが、みんなにとっても素晴らしい宝物なのだ。
しかし、モカは自負心から、これで終わらせるわけにはいかなかった。モカは心の中で、『リサさん大満足』の第2弾をやろうと密かに闘志を燃やしていた。
書き上げた願い事がランタンと共に空高く上っていく…。夜空に浮かんだランタンの灯りがとても美しい。楽しかった一日が終わり、リサはみんなの優しい気遣いに心が満たされていた。
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