第4話 クマとの出会い
羽丘女子学園 校門前
こころは、ベースもいないとバンドじゃないということが分かり、それを教えてくれた花音に感謝する。花音もまた、こころの役に立てたということがちょっぴり嬉しかった。こころには、次のベース担当を捜すのに名案があるらしい。
商店街でのバイト中の美咲は、悪戦苦闘していた。なにせ、この着ぐるみは重いし、息苦しくなる。高時給の理由に納得する美咲だった。
商店街
バイト担当者は、着ぐるみを着た美咲を連れ回し、商店街の人たちにマスコットキャラ、クマの「ミッシェル」としてお披露目をする。すると、通行人の子どもたちが、わーっとやって来て、ギュッと抱きついてくる。
こころの名案というのは、バンドメンバー募集用のポスターを作るというものだった。しかも、その中心に映っているのは瀬田薫。薫の美しい写真を使えば、きっとベース奏者が見つかると考えたのだろう。そして、こころは出来上がったばかりのポスターをこの商店街で配るつもりなのだ。そばで見ている花音は、薫の顔写真しかない目的不明のポスターに動揺していた。
こころは、商店街の一角で、道行く人に呼びかける。薫の演劇用のセリフに関心を持った子どもが、母親から見ちゃダメと止められて、クマのマスコットキャラ・「ミッシェル」の方へ移動する。どうやら関心はクマの「ミッシェル」の方へと集まっていく。こころの名案、薫のポスターに関心を示す者はいなかった。こころは、何がいけなかったのだろうかと考える。そしてこころは、クマの「ミッシェル」に目をつけ、近づいて行く。
こころにガン見されていると感じた着ぐるみの中の美咲は、咄嗟に逃げることを考えたが、その前にこころに捕まった。こころは、ミッシェルにこのポスターを配らせようとする。ミッシェルはこの商店街のマスコットだからと、バイト担当者が制止しようとしていると、謎のスーツの女子軍団が現れる。どうやらバイト担当者と交渉中のようだ。
ひとりになってしまったミッシェルは、こころからいっぱい刷られたポスターを手渡された。通行人の子どもたちは、ミッシェルの持っているポスターが気になるらしく、「ちょーだーい」とせがんでいる。
その様子を見たこころは、ポスター配りが大成功して、大喜び。そこへはぐみが現れ、クマを発見して大喜びする。こころは、ミッシェルと一緒にベーシストを捜しているところなんだとはぐみに説明する。「クマのいるバンドって珍しいね」などとはぐみは妙に納得してしまう。いやいや、違うんだと美咲は伝えたいところなんだけど、それが逆に、こころにはメンバーになりたいのだなと解釈されてしまう。
はぐみは、こころの制服を見て、同じ学校同じ学年の弦巻こころだと気づく。こころは、すぐさま一緒にバンドをやらないかと誘う。はぐみはバンドのことは全く分からず何かスポーツ系だと勘違いしている。ルールがなく、戦いもない、自由で楽しいこと…それがこころの考えるバンドのイメージ。はぐみはそれを聞いて、自分もバンドがやりたい、メンバーになりたい!と即決。
花音は、改めてはぐみにベースが弾けるのかどうか尋ねる。だって、ベースを募集しているわけだから。
第5話 メンバーが揃った!
商店街
はぐみは、ベースをやるのだと分かり、「ギターより弦が少ない楽器だよね」と確認する。はぐみは兄からギターの手ほどきを受けたことがあるから、ベースもだいじょうぶだろうと単純に推測する。花音の心配をよそに、こころは、あっという間に5人のメンバーを揃えてしまった。
翌日・花咲川女子学園 1-C教室
クラスメートが、美咲に昨日のバイトのことを尋ねてくる。バイトは辞めることにしても、弦巻こころのバンドメンバーってことになったままだ。変なことに巻き込まれないように、こころにきちんと断ろうと美咲は決意する。今教室にいたはずの弦巻こころを追って、美咲は外へと出る。
花咲川女子学園 校門前
その弦巻こころの身軽さといったら…階段5段飛ばしで駆け下りて、スキップして校門に登る!やっぱりそう来ると思ってた!花咲川の教員の声がして、弦巻こころに、校門に登らないように注意している。こころは何か用事を思い出したらしく、バク転して着地したかと思うと、もう姿がない!
花咲川女子学園 1-C教室
美咲は、一日中かけて弦巻こころを追いかけたが、全然捕まえることができず、お疲れモードだった。そこへ、はぐみを連れて花音が現れる。こころはバンドを開始する前に、みんなでどんな楽しいことをするか話し合いをしようと提案する。メンバーが揃ったところで、好都合だと思った美咲は、こころに伝えようとするのだが、こころは2人を連れて次の行動に移す。
弦巻家
こころの後をついていくと、大きなお屋敷に行き着く。こころはメンバーたちを自宅に招き入れる。メイドや執事たちがこころに挨拶する声が聞こえてくる。まるで遊園地みたいにプールやテニスコート、噴水などがあるお屋敷。こころが本当のお姫様のようだと知り、メンバーたちはびっくりする。
この前見たスーツを着た謎の女子集団がこころに何やらミッシェルのことを話している。そして、門の影のところにいた美咲を示し、着ぐるみの中にいた人だと紹介している。
ミッシェルがいないと会議にならないと困り顔のこころだったが、ミッシェル=着ぐるみの中の人=美咲ということを説明するのだけれど、こころとはぐみ、薫は、理解してくれなかった。花音がこころに説明してくれたけど、やっぱり分ってくれない。結局、「美咲は着ぐるみの人」ということで作戦会議に参加することに。
第6話 世界中を笑顔にしたいの!
弦巻家 応接室
こころは、今まで考えてきた楽しいことリストをみんなに紹介する。リストに書かれた内容にすぐさま賛成するはぐみと薫。バンド活動とは全く関係ない内容だったのに。そばで聞いていた花音は、楽器を弾いて、歌を歌って、曲を演奏しないと音楽をしていることにはならないと、控えめにこころに教える。
美咲は、昨日弦巻こころとドラムを叩いていた花音に、どうしてこんなことになっているのかと尋ねる。ドラムを辞めようとしていたのに、なぜかこころのバンドメンバーになっている…この現実。こんな自分を変えようと思って始めたドラムだったけど、挫折してドラムを手放そうとしていたところに、こころが現れ、勇気なら私があげるだの、私が必要だの、…バンドの救世主だの言われ、訳が分からないままにバンドに入れられたということには間違いない。
美咲はこの訳の分からないバンドから抜けたいと思っていた。できれば、この気弱そうな花音も助けてやりたい。そんなふうに考えていた。
こころは、バンドのことはまるでわかっていない。だけど、このバンドで「世界を笑顔にしたい」という目的だけははっきりとしていた。このバンドで世界中を回って、笑顔でいっぱいにする!こころは本気で世界を笑顔にできると思っている。何ていうか…純粋すぎる…何も分っちゃいない。薫もはぐみも妙に賛同してしまって。、一体どうなっているの?
花音はどうするつもりなのか?現実的ではないと思うけど、こころが言うようなことが本当にできるとしたら、それは素敵なことだと花音は思っていた。美咲はと言えば、このバンドに入るのを断りにきたはずなのに、この妙な空気に飲まれてしまって、きちんと伝える間もなく、いつの間にか正式メンバーになってしまっていた!
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