スポンサードリンク

バンドリ!のハロハピ世界を笑顔に!(第18~20話)

バンドリ!

第18話 魔法のコトバ

数日後・スタジオ

思い立った新曲作りはいいのだけれど、そんな簡単に曲ができるものだろうか?ミッシェルは心配になっていた。はぐみたちはまだ、美咲=ミッシェルがどうしてもつながらないでいる。ミッシェルの中は重くて暑いから、美咲は着替えたいと思っているのだが、はぐみはミッシェルがいないと調子が出ないから一緒にいてほしいと頼んでくる。

スポンサードリンク

気の毒に感じてくれているのだろう。花音が、ストロー付きのお水を差し出してくれた。これで何とか凌げる。

歌詞作りは進んでいるのか、ミッシェルはこころに尋ねてみた。進行具合を見てみると、その歌詞には、「どびゅーん」と「ばびゅ―ん」しか書かれてなかった。仕方なく、花音がこころの書いた歌詞から、言いたいことを言語化してみることになった。花音はこころに質問し、「どびゅーん」と「ばびゅ―ん」の解析に取りかかった。何でもできるということを伝えるための魔法のような言葉があれば…。何とか歌詞が出来上がるかもしれない。

そして、この歌詞に曲をつける。薫はオーケストラ、シンフォニーのイメージでメロディを、はぐみは演歌のイメージでコード進行を少しばかり考えてくれた。ミッシェルはこれをまとめてつないで、なんとか曲の形にしようと意気込む。

数日後・病院ロビー

出来上がった曲を持参して、メンバーたちはいざ病院へ。今日こそあかりの笑顔を取り戻したい。そして、勇気を与えたい!

演奏前、花音は、こころの言いたかったことをちゃんと歌詞にできたかどうか不安になっていた。ミッシェルは、この歌詞でいいと思っていた。こころの思いを少しだけ理解することができて、よかったと感じていた。そして、ハロー、ハッピーワールドは、初めてちゃんとバンドになったと思った。

こころは話す。勇気は、誰でも持っている。ただ、その出し方が分からなくなっているだけだと。だから、この曲を聴けば、きっと思いが通じるはずだと自信を持っている。この新曲に託した「魔法の言葉」が、ちゃんとあかりに届けばいいのだが…。

曲が進むにつれ、小児科病棟の子供たちの様子に変化が出てきた。歌ありマジックありで、子供たちも大喜び。魔法の言葉は「ハピネス!ハッピーマジカル!」子供たちが何度も唱えるたびに、ハトが飛び出したり、ステージの色が変化したり…。

できないことなんて、世界にはひとつもない。みんなそれに気付いていないだけだと、こころは子どもたちに向けてメッセージを贈った。

あかりもそれを聞いて考え込んでいる。そして、一瞬だったけど、あかりの顔に笑顔が戻ったような、そんな気がした。はぐみはそれに気付いて心から嬉しくなった。しかし、まだ曲の途中だ。最後まで演奏して、そしてそれからやるべきことが、はぐみにはあるのだ。

第19話 なんでも出来る

病院 ロビー

ハロー、ハッピーワールドのライブも無事終了し、大きな拍手が起きた。小児科病棟の子供たちには、大いに受けたけど、あかりはどんなふうに感じたのだろう?しかし、事前に決めていた通り、さっさと片付けを始めるメンバーたちの様子が気になって、遂に思惑通り、あかりがメンバーたちに話しかけてきた!

そしてあかりは、はぐみに尋ねる。こころが言っていた「何でもできる」って本当なのか?はぐみは、慌てずあかりに話しかける。こころの言った「何でもできる」は本当!さっきの魔法のコトバを唱えてみてごらんよ!

「ハピネス!ハッピーマジカル♪」

すると、はぐみのポッケからハッピーレンジャーのフィギュアが飛び出す。やろうと思えば、誰でも、あかりでも何だってできるんだよ!!でも、それを忘れてしまう時もある。こころの魔法のコトバを唱えると、それを思い出せるんだよ!

その言葉に、あかりは心の中で何か決心しようとしている様子だった。メンバーたちは、あかりの様子を見守る。

教えてもらった魔法のコトバを唱えたあかり。すると、あかりが車いすを使わずに自力で立っていた!あかりは、自分で立てたことに気付いた。ふらっとしていたが、だけど確かにあかりは自力で立っている!そして、ふらっとしたのは、自分がリハビリをしていなかったからだと気付く。同時にはぐみがいつも根性根性!と言っているのを思い出した。きっと、あかりはリハビリを頑張ろうと決心したのだろう。

できると思えば、何でもできる。そう、オトナになると少しずつ忘れかけてくる勇気の出し方。思い出せてよかった。この魔法のコトバでどれだけ気持ちが前向きになるだろう…。小児科だけでなく、病院には勇気の出し方を忘れてしまっている人がたくさんいる。前のように歩けるようになれば、この魔法のコトバで、そういった人たちを笑顔にするんだと、あかりは語った。

数日後・弦巻家応接室

ハロハピのメンバーたちは、次の作戦会議を開いていた。あかりとその家族、そして病院の看護師さんからの手紙が、ハロハピ宛に届いていた。病院でのライブから1週間になる。あかりは、元気にリハビリを頑張っているだろうか?

あかりからの手紙には、誰かに元気や勇気をあげるために、大きくなったらはぐみのバンドに入りたい!とあった。しかし、これには続きがあった。同じように困っている子にあかりが魔法のコトバを使ってもうまくいかなかった。人を助けるにはいろいろな方法があると看護師さんに教えてもらったらしく、大きくなったら病院で働く人になりたいと結んであった。

はぐみは、これで自分たちのしたことが、あかりを救ったことになったのか?と心配しているが、こころは、人はみな、あかりも含めて、初めからみんなヒーローなのだと。

誰だって自分で自分を救える…あかりはただそれを思い出しただけ…か?救ったのではなくて、思い出すのを手伝っただけ…。だけど、あかりがしっかりと前を向いてくれたのでよかったわけだから、ハロハピの初仕事としては素晴らしいことだ。

第20話 世界はみーんなが、ヒーロー

数日後・弦巻家応接室

応接室では、次の作戦会議が進んでいた。こころは、ボーカルって思ったより難しいと感じた。なぜなら、メロディと歌詞を覚えないといけないから。今までは、その時の気分で歌詞を変えたりメロディを変えたりしていたもんだからね。

音楽で世界を笑顔にする。これはとてもいいテーマだ。これを実現するために、CDを作って配って回るという活動案を提案したのは、これまたこころだった。これまでにもいろいろな提案をしてきているけど、今回のは、今までで一番いい提案だ。

こころは、歌詞・メロディを覚えたので、ぼちぼちスタジオ録りをしたいと思っているのだが、今日はまだ、はぐみの姿が見えない。と、心配していると遅れてはぐみが入って来る。はぐみは、あかりのリハビリの様子を見に、病院へ寄ってきていたのだった。

あかりはあれから、ヒーローになるためにリハビリを頑張っているとのこと。あかり担当の看護師さんも嬉しそうに笑顔だったそう。はぐみは、自分自身も笑顔を取り戻せてよかったと感じている。そんないいこと尽くめの話が続いている最中、突然こころが、また何やら思い付いたようだ。

こころの話を聞いていると、まあ納得できる点も多いけど、こんなふうにしたいという設定目標がいつものことながら、どデカいのだ。世界のみんなを笑顔にするというのは分かる。だけど、笑顔じゃない人を見つけたら、その人を笑顔にするために、ハロハピが出かけていくっていうのは…。その方法が今回はたまたまうまく行っただけであって、いつも成功するとは限らないのではないか?美咲は少し否定的だった。

だけどこころは、やっていない先から、どうして成功しないと分かるのか?と自論を持ち出す。美咲はまた始まったかと思ってしまう。美咲は、人生何事もほどほどがいいという考え方なのだ。だから、こころの言うことは、いつもぶっ飛んでいるように思えた。全部が全部おとぎ話にしか聞こえないのだった。

でも、こうやってみんなでライブをして、あかりのことで一緒に悩んで…。なんだかんだあったけど…。もしこれから、みんなを笑顔にする活動がうまくいかなくて、こころやみんなが落ち込むようなことがあれば、そんなみんなのガッカリした様子は見たくない。落ち込んだら、誰だって傷つく。そんな姿をお互いに見るのは嫌な気分になるだけだと、美咲は思っていたのだ。

笑顔を忘れてしまった人がいれば、ハロハピが。ハロハピの仲間に笑顔を忘れてしまった人がいれば、それはハロハピの仲間が。そしてハロハピの仲間全員がそれを忘れてしまったら、ハロハピ以外の誰かが、笑顔を思い出させてくれるはず!!だって、「世界はみんながヒーロー」なんだからと、そんなふうに考えるこころは、いつものようにパワー全開だった。

とてもじゃないけど、こころの自論にはついていけない。だけど、自分と違う考え方のこころをなぜか容認してしまう美咲だった。そのうちまた付き合いきれないと爆発しそうになる時がくるかもしれないけど、それまでは、こころのおとぎ話に付き合ってみようと美咲は思った。

もしかして、こんな変な団体から今度こそ脱退すると美咲が言い出すんじゃないかと、内心ビクビクしていた花音も、美咲が辞めないことが分かり、ほっと一安心する。

ハロー、ハッピーワールド!世界を笑顔にするために、どんなことがあっても頑張ってほしいな。

こころは、この場にミッシェルがいないことに気付き、ミッシェルがいないとイマイチ調子が出ないと言う。やっぱりね、まだ、美咲=ミッシェルが理解できていなかったんだ!

コメント