第10話 魔法みたい!!
数日後・ライブハウス前
はぐみたちは、ライブハウスの前にいる。こころは、ミッシェルが決めてくれたライブハウスがお気に入り。そのミッシェルは美咲なんだとアピールするけど、未だにこころは、美咲のことを「そこの人」呼ばわり。いつになったら分ってくれるんだろう。
こころは、早くもステージに立ちたくて、うずうずとしている。出番まで楽屋で待つことになるが、だいじょうぶなのだろうか。美咲は「ハロー、ハッピーワールドは本番以外は楽屋にいた方がいいとミッシェルが言っていた」とこころに伝える。こころを観客席に解き放つとどんな事件が起きることやら。
楽屋
楽屋の中では、出演者が本番を迎え、ごった返している。弦が切れた!などのアクシデントを見て、花音は、これから叩くドラムはだいじょうぶか不安になってくる。はぐみも弦が気になったが、ふとミッシェルがいないことに気付く。美咲は、ミッシェルはここにいることを説明するのだけれど、はぐみも美咲のことを「キグルミの人」扱いをして、ミッシェルがちゃんとここに来るかどうか心配している。花音は、たくさんの観客の前でちゃんと演奏できるかどうか、まだ2時間もあるというのに不安な気持ちになっていた。
そこへ薫がやってきて、薫が本番前に必ずやるリラックスするための儀式を一緒にやろうと誘ってくれた。鼻の穴を膨らませ、がに股で背筋を伸ばし腹式呼吸をしようとすると…あ~~、薫のイメージが壊れてしまう。大急ぎで美咲はストップをかけ、この場にミッシェルがいないからみんなが落ち着かないのだろうと推測し、美咲は着替えることにした。すると、手際よく例の謎のスーツの集団が現れ、美咲の着替えを手伝ってくれた。
ミッシェルの出現で、みんなはやっと元気を取り戻してくれた。はぐみは、ミッシェルにモフモフをいっぱいやりスマイルになれた。この様子は、他の出演者たちの笑いを誘った。コントかなにかと思っているらしい。
ステージ
こころは、観客に向かって元気よく呼びかけ、なんと客席へのダイブで、ステージが始まった。ステージ上で展開されるこころたちのドタバタを見て、観客は大受け。なぜか観客たちがみんな笑顔になっていく…こころが言っていたように。
楽屋
こころは、手ごたえを感じていた。やっぱり音楽で世界は笑顔になるということに間違いはない!喜び覚めやらず、みんな大はしゃぎである。冷静な美咲は、さすがに「世界を笑顔にする」というのは無理だろうと思ってしまうのだが…。
第11話 たっくさんライブしよう!!
数日後・弦巻家 応接室
初ライブを無事に終え、1週間が過ぎて、作戦会議の日を迎えた。会議の日にまたもや遅れてくるはぐみ。きっとキャプテンだから練習が忙しいのだろうと思っていたのだが…。
今日の議題は「もっといろんな場所でたくさんライブをしよう」だ。この前のライブだって、美咲がうんと苦労して探してきたものだったのに。花音はすぐさま、結成したてのバンドが出られるライブハウスはあまりないし、お客も来ないからと、みんなに説明する。
だけどこころは、どうしてお客が来ないと分かるのかと反論。やってみなくちゃ分らないのじゃないかと。はぐみも薫もそうだと思っている。仕方なく、美咲はこの3人が理解できるように話す。お客が来なかったらライブハウスは潰れてしまう、潰れたら他のバンドもライブができなくなる。だからお客を呼べるレベルになるまでは出られないのだと。
美咲の話を聞き、ようやく仕組みを納得した3人。すると、こころが、こんなことを。客が来るのを待つのではなく、自分たちが行けばいいと。そして、ライブハウス以外で自分たちの演奏ができそうな場所を探すことになった。
美咲は、このライブが終われば、このバンドからの脱退を考えていた。いいタイミングだから、そろそろ抜けることを何気に伝えようとするのだが、こころたち3人のひたすらな前向きさに押され、またまた脱退のチャンスを逃してしまった美咲。いつまで付き合えばいいのだろう…。
公園
世界中を笑顔にするため、こころたちが先ずやって来たのは近くの公園だ。遊んでいた子供たちが、こころの姿を見つけ、わっと集まってくる。
商店街
次にやって来たのが商店街。はぐみがバンドを組んだことを大きな声で、商店街の人たちに知らせる。巴がDJがいて面白そうだと話している。商店街の大人たちが、はぐみの名前を呼んでいる。そして、それを聞いて、香澄もまた、こころたちと一緒にライブがやりたいと思った。
羽丘女子学園 校門前
校門前では、薫がバンドを紹介していた。演劇だけでなく、ギターもやると聞き、薫の熱狂的なファンたちは奇声を発していた。こころが言うように、ひょっとしたら世界中が本当に笑顔になり、みんな優しくなれるのかもしれないと美咲は思えるようになってきた。
数日後・羽沢珈琲店
珈琲店では、美咲がこころたちとの交友について楽しそうに千聖に話しているところだった。千聖は、花音が少し変わったと思った。今までは花音はいつも聞き役だったけど、今は自分の話を進んでしてくれる、そんな花音を見ていて、千聖はとても嬉しくなった。
千聖から、変わったと言われ、それが心から嬉しかった。これもバンドのおかげなんだと気付き、嬉しさが隠せなかった。
第12話 笑顔に戻さなきゃ!
数日後・スタジオ
花音の、例の掛け声もだいぶ板についてきた。あれから公園、商店街、薫のファン限定イベントなどいろいろとライブをやって、ついにライブハウスからのオファーが来た。ゲリラライブするたびに人だかりを作る訳だから、うわさにもなるというもの。それにしても、こころの「お客が来ないなら、まずは自分から動く」という考え方は凄い!
今日はまだ姿を見せないはぐみに気付いたこころが心配していると、遅れてはぐみが入って来る。いつもより暗い表情をしているはぐみに、薫が気遣う。今まで理由をみんなに伝えてこなかったけど、今日は思いきってはぐみは話すことにした。
商店街のソフトボールチームに所属するあかりが、この前、車の事故で足を怪我してしまい、病院で手術し、うまくいったのだが、肝心のあかりは車いすから降りようとしない。このままだと足が固まって、歩けなくなってしまうのだ。こんな状況に、はぐみはどうしたらいいのか分らなくて悩んでいたのだった。
そんな話を聞き、すぐさまこころはスタジオでの練習を中止し、これから入院中のあかりのところへ行こうとみんなに提案する。アポも取らず、いきなり行こうとするこころを制止させ、ミッシェルは取りあえず病院に連絡を入れてみることにした。花音も一緒に行ってくれることになり、ほっとする美咲だったが…。
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