オープニング full bloom party!
川沿いの道
取材が思ったより早く終わったので、彩と麻弥はすっかり気を許して楽しく話しながら川沿いの道を歩いている。彩も麻弥も明日からまとまったお休みが取れ、少し遅い春休みを過ごすことになった。しばらくすると、スタジオ帰りの花音と出会った。
この川沿いの道は桜が良く見える。ピンクの花びらがひらひらと舞い、とてもきれいに咲いている。彩はふと、今年はまだお花見をしていないことに気付いた。麻弥も仕事が忙しくてお花見はまだだった。
みんながまだ桜を見ていないのなら、一緒にお花見に出かけようと提案する。大賛成の3人。さっそく彩は3人のチャットグループを作成し始める。そこへリサが通りかかる。一体3人で集まって何をしているのだろうと興味を持つ。蘭を誘ってリサも参加することに。
彩はお花見の段取りを始めた。日にちはみんなで相談して決める…問題は場所決めと当日のお弁当をどうするかっていうことだ。みんなそれぞれに忙しいだろうから、みんなで準備するというのは難しい。少し考えていたが、結局彩が幹事をすることになり、花音がサポート役ということで話は落ち着いた。
美竹家 蘭の部屋
リサから蘭のところへメッセージが届いた。お花見へのお誘いだ!なんで自分が誘われるのかと思ったが、取りあえず、了解の返事を返す。お花見といっても、すでに桜は散り始めているというのにだいじょうぶなのか蘭は心配になってきた。
第1話 どこにしよっか
羽沢珈琲店
羽沢珈琲店では、彩と花音がお花見の打ち合わせを始めていた。まずは、場所決めだ。彩持参の雑誌類から話題のスポットを捜し始めた。いろいろ候補はあるのだが、それぞれに桜の見どころが違っていて決めかねていた。
ふと漏れ聞こえてくる桜の話に、つぐみは、2人はもうお花見に行ってきたのだと勘違いした。この辺りの桜はそろそろ見納めのシーズンに入っているはずだけど…。2人の話によれば、まだ、お花見の日にちも決まっていないとのこと。だいじょうぶなんだろうかと余計なことではあるが、つぐみは心配になってきた。
というのも、Afterglowのメンバーと一緒に遠出した時には、すでに桜が散り始めていたからだ。遠出しても桜は終盤。しかも人気者の彩たちのことだ。人気のスポットに行けば、きっとバレてサインや握手を求めるファンで大騒ぎになるかも…。
さすがにそれは避けなければいけない。遠出のお花見もいいなと思ったが、それを考えると今回は近場でお花見を計画した方がよさそうだ。となると、近くの公園?人が少なければ大騒ぎになることもないし、かえってのんびりできる。後は、お弁当の準備を考えればいいだけ。
そんなに料理が得意とは言えない2人は、前もってお弁当作りの練習をしておくことにした。花音の家で一緒にやろうということになり、彩は明日が楽しみでしかたがなかった。
第2話 予行練習
松原家 リビング
食材の準備が完了し、2人はさっそくお弁当作りの練習を開始した。今日作るのは、サンドイッチだ。手軽にみんなでつまめるし、お花見にはピッタリのメニューだ。中に挟むものを工夫すればSNS映えするサンドイッチが作れるはず!
ふと、花音は引き出しから抜き型を取り出した。型抜きした食パンでサンドイッチを作れば、きっとかわいいのができるはずだと思った。実は彩もSNS映えするサンドイッチの作り方を考えて来ていた。さっそく2人は作業に取りかかった。
実際どんなのが出来上がったのか、想像するしかないのだが、こんな感じかな?あ~、早くお花見行きたくなったよ!
引用元:DELISH KITCHEN サンドイッチ
「簡単!クリーミー♪アボ̚カドクリームチーズロール」より
今日の予定は上手く進んだ。残りの時間は別の準備をしておこうということになり、みんながお花見を楽しめるように「お花見のしおり」を作成することにした。注意事項や当日の持ち物、それにせっかくだから、桜の種類の違いと見どころとか桜に関連した俳句や短歌などを載せてみたらどうだろかと、しおりの中身もほぼ決まった。
第3話 ちょっと心配…
昼休み 羽丘女子学園廊下
リサと麻弥は、あれからメッセージもないので、さすがにお花見のことが心配になってきた。彩から送られてきたのは、お弁当の画像と「お花見のしおりを作り始めた」というメッセージだけ。本当にあの2人に任せていてだいじょうぶだろうかと誰もが思った。
近くの公園でお花見をするのは分かったけど、集合時間も持ち物も分らない。こちらから様子を見に行った方がよいのではないかとリサたちは感じた。2人が幹事だから、と何もしないで待っているわけにもいかず、何か手伝えることがあれば、手伝ってあげよう。そんな気持ちでリサ、蘭、麻弥の3人は様子を尋ねることにしたのだった。
第4話 お花見注意事項!
放課後 花咲川女子学園校門前
校門前で2人に出会い、リサはお花見の準備がどうなっているか遠慮がちに尋ねてみた。彩は全てが順調にいっていると自信満々の様子。
しおりも少し見せてもらったが、しきりに「とにかく楽しもう!」と書かれている。集合時間のところに目をやると、やはり…まだ空欄のまま…。そして、持ち物の蘭も同様に空欄のまま…。
2人が時間を決めかねているので、リサは気を利かせて、「10時に公園集合!」とリードする。気になった麻弥も2人に声をかける。
お花見に必要な準備物…例えば、飲み物類、コップ、紙皿、敷き物等、しおりには書かれていないだけで、すべて抜かりなく準備されていることが何となく分かった。
2人は「しおりの仕上げがあるから…」と早々に立ち去る。呆気にとられる3人だったが、今となっては、彩と花音を信じるしかない。当日を楽しみに待っておくしかないかな…。
第5話 バイトマニュアル
松原家 リビング
残る仕事と言えば、2人で考えたこの「お花見のしおり」を人数分コピーするだけになった。みんなの笑顔を想像して、彩も花音も頑張ろうと思った。
おもむろに花音が彩に、あるものを懐かしそうに差し出す。それは、彩手作りの「バイトマニュアル」だった。花音がバイト入りたての頃、仕事内容が分らない花音のために、彩が作ってくれたものだった。
このお手製の「バイトマニュアル」に助けられたのでバイトが続けられたのだと、花音は懐かしそうに話し始める。
自分で書いた「バイトマニュアル」だけど、彩はすっかり忘れかけていた。中身を見てみると…。その1.明るい笑顔でとにかく頑張る!から始まり、「とにかく頑張る!」の連発だった。そして、間違い字発見!「ハンバーガー」が「ハンガーバー」になっている!時間が経ったとはいえ、この間違い字だけは、今すぐにでも消してしまいたいほど恥ずかしかった。
エンディング お花見当日!!!
お花見当日 公園
近くの公園では、乾杯の音頭を取る彩の姿があった。みんな笑顔でお花見を楽しんでくれている様子。美しい色彩のサーモンとアボカドのサラダサンドが美味しそう。彩と花音の好みなのか、犬とイルカの型抜きがされたサンドになっている。ロールケーキ風のサンドもたくさん並んでいる。どれから食べるか迷ってしまいそうだ。
リサは頃合いを見て、手作りの卵焼きと唐揚げをみんなに振る舞った。蘭からはコンビニで買ってきたというお菓子。麻弥からは栄養面を考えた食べやすい野菜スティック。
みんなで手作りのお花見料理に舌鼓。美味しくて、お腹いっぱいになり大満足のみんな。麻弥もリサも「お花見のしおり」の完成度の高さに感動していた。蘭も、知らない種類の桜の写真に出会えて満足そうだった。本物の桜を見ながら、短歌や俳句なども楽しめるとあって、麻弥は贅沢な時間をみんなで持てたことが嬉しかった。
こんなお花見をみんなで楽しめたのも、ひとつは彩と花音が幹事をやってくれたから。この何というかのんびり?とした感じが「悪くない~」と蘭は思った。
幹事を誰が引き受けるかによって、お花見の趣向も変わるだろうし、今回は2人の人柄が醸し出すのんびりモードのお花見になった。儚く散りゆく桜を愛でながら、時間だけがゆっくりと流れていく…そんなお花見ができたことに、誰もが感謝の気持ちでいっぱいになった。
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