オープニング これからのキラドキ(前編)
市ヶ谷家 蔵
有咲のおばあちゃん所有の蔵では、例のごとく香澄たちが集まってバンド練習を開始していた。香澄のギターも上達して、その指さばきも大したものだった。
今までどんなに練習してもつっかかっていた音が、朝起きて演奏してみると、ウソのように指が動いてできるようになっていることがある。日々の練習を怠らなければ、日頃からの練習成果は必ず良い結果に結びつくものだ。こうしてみんなで練習すればきっと素晴らしい演奏を披露することができるだろう。
練習の最中、香澄の携帯が鳴った。CiRCLEのまりなからの電話だった。何やら急ぎの電話のようでもあるが、香澄が「…もちろん絶対やります!」などと応答しているところをみて、有咲は新たに不安を覚えた。
すでに何かを承諾したような終わり方だったので、尋ねてみると、ポピパがCiRCLEのライブイベントに出場することになったというのだ。一同驚きを隠せない。
これまで練習してきた成果を見せる良いチャンスだ。ライブに出るのはみんな大賛成だけど、香澄が喜びのあまり、みんなに意見を聞くのをすっ飛ばして話を進めていたので、有咲は少々不服だった。言うことはちゃんと言って、こんなふうにきちんと道を正してくれる友達がいるって頼もしいなあ…。
イベントに出るバンドは5曲くらいでセットリストを作ってほしいとのこと。ポピパのメンバーたちは、さっそくセトリのコンセプトを考えてみることにした。
「これから始まる新生活が楽しくなる曲!」
久々にたえのベストアンサーが来た!!ステキなセトリができたらいいね!
第1話 これからの、キラドキ(後編)
市ヶ谷家 蔵
まず1曲目は…自分たちの自己紹介になりそうな曲…そして、同じ瞬間、同じ時間を共有できればいいな(←これたえの考え)。
2曲めは…ポピパが一番最初に作った曲…キラキラドキドキしながらみんなで作った曲。
3曲目は…日常の些細な場面に散りばめられたキラキラドキドキを表現。
4曲目は…イメージを膨らませるために書いたノートのメモに、突然たえが大きなマルを描いた。「輪っか」の絵だった。ライブでみんなが1つになった感じが出るはず…。
そしてラスト5曲目は、みんなで楽しく賑やかに終われる曲。だったら、あの曲しかない!
みんなで一緒に考えたセットリストは、こんな感じになった。完成したセットリストはこれまでで最高だ。気持ちも盛り上がったところで、残すはライブに向けての練習のみ。気持ちを1つにして良いライブを作り上げられるといいですね。ポピパ、がんばれ~!
第2話 カッコいいあたし達(前編)
スタジオ
CiRCLEのまりなからAfterglowのひまりのところにもイベント参加依頼が来ていた。ポピパやRoseliaも出るらしいと聞き、全員一致でAfterglowも参加表明することになった。
このイベントは現行のバンドだけでなく、最近増えてきた新しいガールズバンドも参加するらしい。Afterglowはいつも通りにやるだけだけど、自分達に憧れている子達がいると知り、ちょっとばかり嬉しい気分になった。
Afterglowに憧れ、自分達を目標にしていてくれる後発グループも出るとなると、やはりここはAfterglowのカッコよさを見せるしかないだろう。もし、このライブが初ライブとなる子がいるとしたら、CiRCLEのことやライブのことを教えたり、ライブ前の緊張をほぐしてあげたりすることが先輩グループとしてできたらいいんじゃないかな。
でも、そうすることが自分たちのカッコよさを見せることになるのかな?蘭は先程からずっと考えていた。アドバイスももちろんいいのだけれど、自分達に憧れるということは、自分達の曲や演奏が好きで、すごく良いバンドだと思っているということ。ならば、ライブでいいところをたくさん見せてあげることが一番なんじゃないかな。
蘭の考えに、一同頷く。蘭の言う通りだ。これがAfterglowなんだぞ!っていうライブを見せればいいんだ!!それにふさわしいセットリストも考えていけばいいんじゃないかな。
第3話 カッコいいあたし達(後編)
スタジオ
スタジオでは、メンバーそれぞれが思い思いにセットリストを考えてみた。みんなが納得の曲を羅列してみたが、どれも観客の反応受けのよいものばかり。
会場を盛り上げることも大事だけど、自分達が本当にやりたい曲をやった方がいいのではないかと蘭が提案する。そこで、みんなでノートに曲名を書きながらセットリストを完成させていった。
まず1曲めは…これがアタシ達って感じの勢いのある曲。
2曲目も…勢いのある曲でつなげて。だけど雰囲気の異なる曲で…。吟味していた蘭も納得の曲。…うん、悪くない。
3曲目・4曲目は…みんなの心に残る楽しい思い出の曲。
そして最後の曲は…バシッと決まる曲。Afterglowの今が詰まっている曲。夕焼けの空から始まって、夜を越え、その先を見つけた自分達らしさ満載の曲で。
Afterglowらしいセットリストが完成し、後は本番に向けてがんばるだけだ。ひまりはいつものようにリーダーらしく、エイ、エイ、オーの掛け声を一人でかけた…。
第4話 無限にめぐる思い(前編)
アイドル事務所
アイドル事務所でも、例のライブの話で持ち切りだった。コンセプトは「アイドルが好きなように自分を表現する」である。ということは演奏以外のことをステージ上でやってもよいという解釈もできる。
パスパレのメンバー達も何をしようかと考えている様子。自分達の始まりがライブだったから、やはりライブで勝負するのがよいのではないかと千聖が話す。ライブは、アイドル活動の中でも特に大切なものだから。
セットリストは、今回のコンセプトに則り、パスパレの自分達だけで考えてみることにした。何が歌いたいか?…それぞれの思いがさく裂して、やりたい曲名が次から次に…。まずは落ち着いて、どんなライブにしたいかテーマを考えてみようと、千聖が提案する。
日菜は、るんっ♪とくる曲がいいと。ダメだよ~、ダメじゃないけどダメーと彩。2人とも言いたいことは十分に分かるんだけど~。
テーマを「来てくれた人に元気を与えるライブ」ってどうかな?さすがに落ち着いた千聖が話をうまくまとめていく。彩は今までの経験から自分の方がファンの人達から応援してもらって元気をもらっているんだと話す。麻弥もファンからある手紙をもらって、そこから勇気をもらったという経験をしている。ファンなくしてはパスパレは成り立たない。
そこで、ファンの人達に感謝の気持ちを伝えるセットリストにしようということで全員の考えもまとまった。
第5話 無限にめぐる思い(後編)
アイドル事務所
お客さんに感謝を伝えて、元気になってもらうためのセットリストをみんなで考えた。彩がホワイトボードに板書する。日菜は「つまんないな~」と言いながら、ホワイトボードに勝手にカラフルなイラストを描き始める。
ああだこうだ~と言いながらも3曲目までが決まった。と突然日菜が「ネギ!」と言う。「ネギ」なんて曲はないはず。これは日菜だけの呼び方である。さて、何の曲か分かる?千聖はすぐに分った。日菜によれば、タイトルが長いので、短く「ネギ」と呼んでいるんだそうな。
そしていよいよラスト曲は、やはりパスパレとして初めて披露した曲。トラブルもあったけど、もう一度歌いたいという思いでがんばってきたところがあるから、原点回帰で。
自分達の歌いたいという気持ちも強かったが、何よりもそんなパスパレがもう一度ステージに立つことを受け入れてくれたお客さんがいたから、今のパスパレがある。この曲には苦しかった思い出と同時に楽しい思い出もぎっしりと詰まっている曲だから…。
今までのことを思い出して、泣き虫の彩は泣き出してしまった。泣き顔ではなく、笑顔でお客さんに感謝の気持ちを伝えなければ!
たちまち彩に笑顔が戻り、最高以上の最高なパスパレの姿を見てもらおうと、張り切る彩たちだった。
第6話 共通する熱(前編)
スタジオ
いつものようにスタジオ入りしてみると、もうすでにみんなは揃っている。あこはホームルームが長引いたものだから、練習に遅刻したらどうしようとドキドキした。でもぎりぎりセーフ~よかった。
今日は練習前にミーティングの予定がある。友希那はCiRCLEのまりなから大きなイベントをするのでRoseliaにも出てほしいという連絡を受けたことをみんなに伝えた。プロアマを問わず、CiRCLEがいいと思ったバンドを呼んで盛大に開催するらしい。
いつもよりたくさんのバンドが集結すると聞き、さすがのあこも緊張してきた。それに対し、友希那は緊張する必要はないという。いつものようにRoseliaを貫き通すだけのこと。
メンバーの誰もが、このイベントを前にして熱のこもった意欲を見せた。さっそく練習に入る前に、セットリストを考えることになった。
初めてRoseliaを聴く人にもしっかりとRoseliaを理解してもらえ、しかもファンを納得させられるようなセットリスト…。
まずは、メンバー個人でそれぞれにこれだ!と思うセットリストを考え、それを出し合って、みんなで話し合って決めるという方法をリサが提案。
Roseliaとしてのテーマは…それは「誇り」。頂点を目指し、進み続けるRoseliaが絶対に失ってはいけないもの、それを表現するのにふさわしいセットリストを考えるようにと、友希那が指示を出す。
第7話 共通する熱(後編)
スタジオ
それぞれに考えたセットリストを同時に出し合うことに…。みんなで1曲目をチェックしてみると、なんと!みんな同じ曲を選んでいる!しかも、2曲目も全員が一緒の曲だった。
これはスゴイことだ。だけど、友希那は最初からこの結果を予測していたようだった。「誇り」をテーマにするならば、このセットリストしか他に考えられない!みんなの心は1つだ!そして、セットリストはあっという間に文句なしに決まっていった。
このように曲名が揃ってみると、Roseliaを結成した頃のことが思い出される。友希那が紗夜を誘ったのが全ての始まり。そしてしつこいくらいにあこがドラムのテストをせがんだんだっけ…。結局この5人でRoselia を始めることになった…。
途中でぶつかり合うことも確かにあった。バンドを始めた理由はそれぞれで、いろいろあったけど、またこの5人で音楽をやりたいという思いから、みんなが集まり、FUTURE FES.のコンテストに出場した…。結果は惜しくもあと一歩だったけど、これは意味のある挑戦だった。
その後も何だかんだあったけど、それぞれがRoselia のことを今までより、もっと大事だと考えられるようになった…。それに気付き、一人ひとりが自分の課題を乗り越え、変われたのだった。
出来上がったセットリストを眺め、友希那は思った。Roseliaが歩んできた道。そこから作り上げてきたもの…それを感じられるセットリストだ!
さっそく本番までに曲の完成度を高めなければ!こうして歩んできた道を振り返り、先を見据えて己を磨くことも頂点へと続く一歩となる。焦らず、侮らず、しっかりとこの5人で進んでいこう!そして目指すのは「自分達だけの頂点」だ!!
第8話 みんなで踊ろう!(前編)
弦巻家
メンバー達は弦巻家に集合し、今度のライブに向けて練習が進んでいた。何だか弦巻幼稚園のようだ。みんなが幼児になり切っている…。子どもの気持ちをシミュレーションするのが目的なのだけどね。
みんなその気になって演じているけど、美咲にはそれが素直にできなかった。だって、今度のライブの打ち合わせで集まっているわけだから、そんなことはしていられない!
今度の商店街で行われるこどもまつりのライブステージで何をするかを早く決めなければいけないのだ。このステージは子ども達に加え、保護者や地域の大人達も見に来る。だから両方の立場から楽しめるステージを考えなければいけないのだ。
さっそくはぐみが、子ども番組みたいに体を動かすのはどうかと意見する。歌に合わせて踊る…ハロハピの曲に合わせてみんなが踊ってくれたらきっと楽しいものになるはずだ。
それには振り付けを考えなくては!まずは、みんなで曲を流しながら、体を動かしてみて、楽しい踊りの振り付けを考えてみようということになった。
エンディング みんなで踊ろう!(後編)
弦巻家
弦巻家では、振り付けを考える作業が続いていた。こころとはぐみがノリノリで振り付けを考えている。そこへ美咲がストップをかける。
子どもまつりのステージの持ち時間は20分。やったとしても4,5曲が限度。みんなで振り付けを覚えて練習する時間も加味すると、踊り付きでできる曲は1曲だけ。
まず1曲目は…笑顔を思い出せる、魔法のコトバ…で決まり。これなら踊りやすそうだし、何よりも元気になれる曲だ。
さっそく振り付けを考えてみることにした。どうやらこころは振り付けのアイデアが浮かんだようだ。だけど、これじゃ分んないよ!!だけど、次々と楽しくなる振り付けが生まれた。
ふと、自分達は当日楽器を弾くことにはぐみが気付き、こころとミッシェルでがんばることになった。
2曲目は…子ども達が喜ぶもの…怪盗…そして、次々と子ども達が喜びそうな曲が浮上。そして、新学期にふさわしい曲、ハロハピの始まりにふさわしい曲などなど。きりなく、自分のやりたい曲が挙げられていく…。
たくさんありすぎるので、全部演奏するとなると時間が足りない。そこで、曲を短くつなぎ、メドレーで演奏することに。きっと笑顔の詰まった楽しいステージになることだろう。今からワクワクするね!
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