第1話 「いつも通り」
スタジオ
スタジオでは、巴たちがバンド練習を頑張っている。今練習している曲も、いい感じに仕上がってきつつある。今の演奏について、蘭は「いつも通り」だと言う。モカたちは蘭の「いつも通り」をちょっとからかってみるが、つぐみは「いつも通り最高」という意味だよねとカバーする。巴も「いつも通り」でいいんだ、いつだってAfterglowは最高の音をしているんだと。するとモカが、スタジオでのこもりっきり練習にも飽きてきたので、そろそろライブがしたいと言い出す。ひまりたちも大賛成だ。もちろん蘭も!
練習も終わり、みんなで片づけて帰り道はモカの好きないつものパン屋さんによる計画だったけど、片付け中に蘭に1本の電話が入る。巴は、蘭の浮かない顔を見て、心配している。だけど、モカは何でもないと言う。そして、パン屋さんに寄るため、モカと二人で一足先にスタジオを出る。これもフィーリングがぴったり合う二人の「いつも通り」。
第2話 なかなかアツいイベント
数日後・スタジオ受付
ひまりがスタジオの受付を済ませると、スタジオスタッフから、ちょっとした話があった。
スタジオ
スタジオに入ると、待ちくたびれたようにモカが「遅い~」と。ひまりは真剣な顔をしている。というのも、さっきのスタジオスタッフからの話の内容が気になったから。そしてその時のもらったチラシをみんなに見せる。「ガールズバンドジャムvol12出演者募集」とある。もしかして、Afterglowがこのイベントに出るってこと?
ひまりによれば、スタッフさんが推薦するからガルジャムに申し込んでみたらと勧めてくれたのだとのこと。ガルジャム出身の人気バンドは多く、イベントもなかなかアツい。今までやってきた学生バンド中心のイベントと比べれば、ガルジャムは規模も大きく、熱量も全然違うと熱く語る巴。スタッフがいくら推薦してくれたとしても、あの場で実際にライブをやるのはAfterglow自身だ。さて、どうしたものか悩むメンバーたちだった。
しかし、つぐみが「出ようよっ!!!」と。前の練習の時、みんなライブに出てみたいと言っていたし、チャレンジだと思って出てみようと、つぐみは真剣な表情でみんなに語りかける。ビックリはしたけれど、みんなは同じ思い。蘭もモカも大賛成だ!
さっそく練習に打ち込むメンバーたち。蘭はモカに、この前ひっかかったフレーズを合わせたいと申し出る。そして2つ前のフレーズから演奏開始。この二人、火がついたように夢中で練習している。
スタジオ受付
ひまりが休憩に入った時、スタジオ受付前で、蘭が誰かと電話している姿があった。「いちいち私のことに口を出さないで…」と聞こえる。これはどうも穏やかではない。誰かと言い争っているように聞こえたひまりは、蘭のことがとても心配になる。そこへ、蘭を探してモカが現れ、もう一度練習しようと蘭を誘う。
第3話 外れたキー
スタジオ
スタジオでは、最後に1回みんなで合わせてみようと、つぐみがみんなに声をかける。一緒に演そうしてみたが、蘭は喉の調子が悪いのかトーンが低い。練習し過ぎて疲れているというのは確かだけど…ちょっと心配になる巴。
帰り道
ひまりは、蘭のことが気になっていた。あの電話の後、蘭の様子は変だった。珍しくキーを外していたし、表情もどこか暗く見えた。あの電話のせいなのだろうか?蘭にさよならを言ってから、ひまりは疲れた顔の蘭のことがやっぱり心配だった。
美竹家 リビング
蘭は帰って早々に、父からお小言をもらう。「また今日もこんな遅くまでバンドの練習か。最近は華道の集まりにも顔を出さずに、そんなことばかりして…。少しは自分の立場を考えなさい」
それに対し、蘭は「お父さんに関係ない」と反発する。しかし、美竹家は、美竹流の家元。蘭はその後継である。「美竹流の後継者である蘭は、もっと積極的に華道に触れるべきだ。高校生になったら、本格的に後継者としての勉強が始まると前から言っておいたはず。なのに蘭は…」と続ける父に「うるさいな!」と言い放ち、蘭は自分の部屋に戻って行った。
帰り道
つぐみも巴も、今日の練習で、蘭がキーを外していたことに気づいていた。本人は長時間の練習で疲れたのでとは言っているが、巴は頻繁にかかってくる電話のことにも気付いていた。
蘭の父親は、華道の美竹流の当主。蘭もいずれはお華の道に進むのだと近所の人から聞いたと、つぐみは続ける。巴も、高校生くらいになったら蘭に華道の勉強をさせたいと父親が言っていたのを思い出した。でも、当の蘭本人は華道を継ぐ気はないと言っていることも知っていた。もしかして、そのことで蘭のところに電話がかかってきているのではないか?ひまりも、今日の休憩中の出来事をみんなに話した。電話を切った後、何かを堪えるような顔をしていて、練習中もずっと辛そうな顔をしていたと。みんな蘭のことがとても心配。明日以降も続くようなら、タイミングを見て蘭に直接聞いてみようということになった。
気がかりはことは蘭のこと以外にもう一つ。ガルジャムのこと。申請しても審査があるから、絶対に出ることができるとは言い切れない。Afterglowの音は、最高だとは思っているけれど…。自分たちを信じるしかない!
みんなと別れて、モカは蘭に電話してみた。別に用件はないが、帰り道一人になったので、なんとなくかけてみたと。モカなりの気遣いである。電話が終わって、ちょっとため息をつくモカだったけど、明日も元気に出会えるといいね。
第4話 練習、しよう
翌日・羽丘女子学園 1-B教室
教室で集まってみんなで話す。昨日のことが気になっていて誰もみんなゆっくりと眠れなかったようだ。お互いにやることはいっぱいあって忙しいけど、無理をせず、だけど頑張ろう!と励まし合っている。
放課後・羽丘女子学園 生徒会室
生徒会室では、つぐみが今度の資料の準備を率先して手伝っている。データを集計して今日中にまとめる作業だ。
羽丘女子学園 テニスコート前
テニスコート前では、ひまりがコート整備を手伝っている。この前頼まれていた練習メニュー表がどうなっているか尋ねられ、忘れていたことに気付いた。それに備品の整理も…。そして、どうして何でも安請け合いしてしまうのか咎められる。そこへ、巴が現れると、泣きそうになって巴に助けを求める。
スタジオ
スタジオでは、蘭が練習に一人打ち込んでいる。でも昨日の「お前には、美竹家の後継だという自覚はあるのか」という父親の言葉が頭の中で甦り、全然身が入らない。それに曲のアイディアも浮かんでこなかった。そこへ、モカがやって来る。ふと目にした譜面が気になったが、まだ未完成だから見せられないと蘭は言う。2人で練習に取りかかろうとした矢先、また蘭に電話がかかってくる。蘭は電話に出ない。父親からだから出なくていいんだと蘭は言う。そして練習は終わった。
帰り道
疲れ果ててひまりが帰っている。つぐみも今日はハードだったようだ。蘭とモカが合流し、蘭はスタジオで練習していたと話す。そこへ巴も楽器のメンテナンス帰りで合流。巴は、蘭が昨日ずいぶん疲れていたみたいだから心配していたと話す。蘭は、だいじょうぶだからと返すだけ。
第5話 みんなおそろいだねっ♪
数日後・上原家 玄関前
毎日ガルジャムのことが気になって、今日もポストを覗いてみるひまりだったが、郵便受けの中には封筒が!
羽沢珈琲店
ひまりはみんなに連絡し、羽沢珈琲店に集合した。ガルジャムから出演案内が来たことをみんなに伝え、一緒に書類を覗き込む。みんな嬉しさを実感している。つぐみの目からは涙が…。出演も決まり、今日からは今まで以上に練習しなければと張り切る巴。すると、練習をする前にみんなに見てほしい物があると言って、ひまりがみんなに見せた物は?
それは手作りのお守りだった。ひまり特製のお守りを一人ひとりに手渡そうとすると、モカがみんなを代弁して「マジ~?」て。ひまりの最近の寝不足の原因が分かったみんな。巴は、ズバリ形がイビツだと言い、つぐみは無理してホメて言葉に詰まり、謝る。だけど、みんなひまりの気持ちはよく分かっている。物は形じゃないんだ、気持ちが大事だからと言って、巴はスネアケースに付けることにした。つぐみは、キーボードケースに。そしてモカと蘭はギターケースに。そして、今度のライブがうまく行きますようにと、お守りにお願いするひまりだった。みんなお揃いのお守りを付けて、練習に頑張れば、きっとライブは成功するよね。
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